人間関係でお悩みのあなたへ

「人間関係は難しい」と世間ではよく言われます。

それは、いろいろな意味が含まれたことばなんでしょう。それを分析してみるのもよいのですが、ここでは、「人間関係なんか簡単だ」「人間関係なんかこわくない」と思える心を作るための一つの考え方を示したいと思います。(あくまでも一つの考え方です。)

未知だから難しい

人間関係の難しさは、他者の心がわからないことに起因します。

未知のものは難しくこわいものです。対処の仕方がわからないからです。

未知のものが既知になれば、対処の仕方がわかるようになります。

他者の心は、それなりに親しくならなければわかりません。とはいえ、かなり親しい人であっても、完璧に把握するのは不可能です。

コミュニケーションをとることは、超能力がない限りは、相手の心を知ることができる唯一の手段です。

あいさつをすることからはじめて、ちょっとした天気などの話題をするようにして、という手順を踏んで、少しずつコミュニケーションをとっていくことしかありません。

人と親しくなるためには、何か互いが共通する部分を見いだすことが有効です。

同じ趣味をもつ、似たような境遇である、同じような価値観をもっているなどあれば、話がはずむでしょう。

また、相手の悪い面ではなく、良い面を見つけ出し、それを尊敬して話をすることが、相手と有意義なコミュニケーションをとる方法です。これは、年齢や組織内での立場は関係ありません。

悪い面ばかりを見ていると、その人が嫌いになります。

嫌いになると、その相手の全人格が嫌いになります。そうなると、関係がぎくしゃくします。

嫌われていることは、相手にも伝わります。自分を嫌っている相手はできるだけ避けたいと思うのが人情です。自分が嫌いだと思っている人は、相手の方もこちらを嫌いになります。

嫌いだと思う人を一人でも少なくすることは、余計なストレスを減らすことにもなります。

自分が尊敬できる人を一人でも多く作ることが、人間関係の難しさを乗り越える方法です。

下劣な輩(やから)への対処

しかし、そんなことは理想論だといわれるでしょう。

そんなにうまくいかないのが現実だと。

世の中には、尊大で傲慢で、平気で人を見下したり、人前で平気で恥をかかせたり、人を陥れたりなど、どう見ても下劣きわまりない輩がいることも確かです。

こういう人とどう向き合うかは、人それぞれの価値観、人生観によって変わってきます。

たとえば、職場の上司が下劣なヤツだったとしたら・・・

1 どんなことがあろうとも我慢して、何でもいわれるとおりにする

2 仕事を辞める

この2つが有力な選択肢ですが、2は簡単には選択しにくいのがふつうです。

それならば、とりあえず1を選択した上で、さらに次の選択肢もあります。

1-a いずれこの上司よりも上の立場になってやろうと努力する

1-b 別の部署に移るまで我慢する

「負けるものか」と思ったとき、人は強くなり、エネルギーがわいてきます。1-aの選択は一つの積極的な選択だと思います。良い上司に恵まれなかった人は、いつかそんな上司は俺がクビにしてやるくらいの気概をもって仕事をすれば、良い仕事もでき、出世できるでしょう。

1-aはある種の闘争ですが、反抗したり喧嘩するということではありません。人間関係では対等の相手ならアリかもしれませんが、組織内での上司のような相手とは、反抗や喧嘩は無益です。それならば、円満退職する方が賢明です。

闘争は、戦略をよく練った上で、実施しなければなりません。勝算のない闘争も避けるべきです。

1-bは、時間に任せようというものです。組織の中で生きるには、そのような忍耐力も必要です。

しかし、悪い職場では、ミスもなく何の落ち度がなくても、無理矢理ミスをでっち上げられることもあり得ます。従順にかつ真面目に仕事をしていても、評価されないどころか、いわれのない責任を取らされるようなことも覚悟しなければなりません。

忍耐だけではやっていけないような悪意ある職場であった場合は、辞める勇気も必要かもしれません。

たとえ辞めた後でも、パワハラで精神的な問題が生じたり、残業代の未払いのように法律に違反しているようなケースならば、泣き寝入りする必要はありません。

友人関係なら、そもそも自分が下劣なヤツだと感じる人とはあまり友達にはならないので、対処の仕方を考える必要はないでしょう。

しかし、学校のクラスや部活の中では、下劣なヤツが高い確率でいるかと思います。先生にもそういう輩がいるかもしれません。

学校でも、下劣なヤツと戦うことが必要になる場合もあるでしょう。しかし、学校はしょせん限られた期間で卒業します。

自分を攻撃してくるような場合は防衛しなければなりませんが、基本は争いを避けて、時間がたつのを待つのが賢明な方法だと思います。

しかし、どうしても登校できなくなったときは、転校する道もあります。無理にその学校に残り続ける必要はありません。フリースクールや通信制高校など、受けいれてくれる学校が必ずあります。

人間に興味を持つこと

一部でも尊敬できる人、ごく一部すら尊敬できるところがない人は常にいますが、全体の中では少数かもしれません。

日々、顔を合わす人でも、あいさつをする程度で、よくわからない人の方が多いといえるかもしれません。

よくわからない人は、別に今のところ人間関係のなかで特段に意識する必要がないといえる人です。

しかし、その中には、たいへん気が合う人で、将来の親友ともなるべき人が紛れているかもしれません。また、職場の中で、将来自分の上司や同僚や部下になる人が含まれているのかもしれません。

そう考えると、人間関係は、現実の目の前にあるものだけではなく、可能性も考慮に入れる必要があります。

「きのうの敵はきょうの友」といわれますが、人間関係は変化します。その意味で、絶対的に安定したものではなく、常に可能性を秘めたものでもあります。

絶えず変化の中にある人間関係は、自分から変えることもできます。

人間関係は相互関係なので、相手次第ですべてが決まるのではなく、自分の側からも影響を与えることができるからです。

このように考えてみると、他者に対して受け身でいるのではなく、積極的な姿勢をもつことで、人間関係は自分からコントロールすることも可能です。相手に自分のことをより多くを知ってもらうことで、関係がよくなっていく可能性もあります。

それでも相手がそれを受けいれない場合はどうすればよいのでしょうか。

そのときは、とりあえずそういう人だと割り切るしかありません。しかし、人の心は変わるものです。あきらめないで時間をかけて働きかけていけば相手の心も変わります。

人はそれぞれ個性があり、個人個人で違います。

その個性はそれぞれに興味深いものです。

それぞれの個性を知ることは、たいへん楽しいことです。

周りの人に対して興味をもつことから、人間関係はたまたま与えられたものではなく、人生を学ぶ教材としての意義が見えてきます。

相手が隠したいと思っているところにまで踏み込むことはやめるべきですが、その人を知ることは、自分にとっても学びになります。

人が小説を読んだり、映画を見たり、テレビドラマを見るのは、登場人物の行動や生き方を含めたストーリーに関心があるからです。

他者の生き方を知ること、考え方を知ることは、自分の生き方を考えることにもなります。

人間関係は、その中で起こるすべてのことが、自分の学びとなり人生を豊かにすることにつながります。

たとえ、自分が大嫌いな人で、下劣なヤツだと思う人であっても、その人のことを注意深く観察したり、話をしてみると、そんな人からでもいろいろなことが学べます。

その人が人とどう接しているか、その人がどう見られているか、その人の行動の基準はどこにあるか、その人は何に価値を置いているのかなどを注意深く観察します。

その人の言動は、反面教師として自分の生き方に生かすことができるでしょう。また、よく観察してみたら、自分が思っているほどは下劣なヤツではなかったかもしれません。もしかすると、敵ではなく味方になるかもしれない相手だったことがわかるかもしれません。

結論

だれにとっても、人間関係は煩わしい面があります。しかし、一方で、人は一人では寂しいし、だれかと話をしたり行動したりしないと生きていけない面もあります。

それならば、人間に興味をもって、どのような人間からでも学んでやろうと思えば、人間関係というもの自体がおもしろいものになるはずです。

そもそも、人は自分自身の心すらよくわからないものです、まして、他人の心などわかるはずもありません。他人の心に振り回される必要はありません。

しかし、人は自分の心をわかってほしいと思うものです。お互いがそう思っているのですから、それぞれが人の心を思いはかるようにすれば、良い関係が結べるはずです。

家庭や近隣や友人関係や学校や職場など、それぞれの人間関係のあり方は違います。しかし、根本にあるのは、心を持つもの同士がいかに良い関係を作るかです。

相手に関心を持ち、コミュニケーションをとり、相手を知り、良いところを見いだす。相手の心を推しはかり、相手を尊重し、相手の立場に立って考え行動する。

この姿勢で人と接している限り、こちらに何の落ち度もありません。それでもうまくいかないなら、それは相手に問題があるので、それで自分が落ち込んだりする必要はありません。

自分が自分に犠牲を強いるような、無理をすることはないと思います。

また、相手に期待しすぎることもやめるべきです。自分がこれだけ努力しているのだから、相手がわかってくれるはずという期待は、はずれることが多いと悟りましょう。

相手はわかってくれないという前提に立ち、自分の思いはことばで相手に伝えるようにするべきです。遠慮は無用です。

もし、それでもわかってくれないようなら、決裂してもかまいません。たとえ、相手が上の立場であっても、ことばで伝えたことにまともな対応ができないような人なら、そんな人はダメな人です。人間と思わないようにして、心の中で切り捨てればよいのです。(表向きは今まで通りに接するしかないでしょうが。)

ただし、自分の許容量はできるだけ大きくできるよう努力することは必要です。心の広い人間になるように努めていれば、何も怖いものはありません。

自分がすべきことをしっかりとしていれば、だれにも非難されることはありません。自信をもって人間関係を作っていけばよいのです。

まとめると、次のことができれば何も怖いものはありません。

相手に興味をもつこと

相手から学ぶ姿勢をもつこと

相手と話をすること

相手を知ろうとすること

相手の短所よりも長所を見いだすこと →できれば相手をリスペクトすること

相手の立場に立って考え行動すること

相手に自分のことを知ってもらうようにすること

相手に不満があればことばで伝えること

相手の言動に必要以上に我慢しないこと

相手と決裂する勇気を持つこと

以上は、私が自分に言い聞かせていることです。すべてそれができているわけではありません。むしろできていないことの方が多いと、誰かに言われるかもしれません。そんな人間の書いたことですが、よろしければ、一つの参考にしてみてください。

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