The Buggles(バグルス) の 「Video Killed The Radio Star(ラジオスターの悲劇」(英国,1979)という曲は、私にとっては懐かしい曲です。
この曲をご存じない方は、ユーチューブで視聴することができます。
https://www.youtube.com/embed/W8r-tXRLazs
https://www.youtube.com/watch?v=ZZbkr76Mx5Q
タイトルのとおりテクノロジーの進歩によって、かつてのスターが没落していくという趣旨の歌です。
1981年に、「MTV」というアメリカのケーブルテレビチャンネル放送の最初を飾ったのが、この曲だったと言われます。
ラジオ(特にFM放送)が音楽の主なメディアであった時代から、テレビに移ったかもしれないという時代の変化はあったのかなと思います。
私の個人的な経験では、1981年当時はFM放送しか聴いておらず、テレビを見なかったので、ラジオからテレビへと変化した実感はありませんでした。
ただ、ポピュラー音楽の世界では、音のみのレコード中心だった時代(当時はまだCDはありませんでした)から、プロモーションビデオという動画を積極的に作り始めた時代であったようには思います。
今では、インターネットがかつてのテレビやラジオの地位を奪ってしまったと言えます。あるいは、それぞれのメディアが共存しながら、メディアの多様化が進んでいるという言い方もできるでしょう。
実際、テレビもラジオの番組もネットで視聴できるようになってきています。
そうすると、この記事の「Radio will kill the TV show star」というタイトルは、今の時代を正しくうつしていないかもしれません。
しかし、ここで私がいいたのは、テレビよりもラジオが面白いという話です。
私は、このごろテレビを見るよりはラジオを聴くことの方が増えています。
たとえば、平日の午前午後は地上波テレビではワイドショーばかりです。ワイドショーの特徴は、政治的には政府から「中立」が強く要請されている(らしい)からか、無難な内容が大半です。
そのためなのでのでしょうか、コメンテイターは政治的な問題に関しては、はっきりと自分の意見を言わないので、見ていても面白くありません。(ごく一部に例外のコメンテイターはおられますが。)
それに比べると、ラジオ(主にAM局)では、意見をはっきり言うような人が毎日出てこられます。
保守であろうがリベラルであろうが、それぞれの論者のはっきりとした意見が聞きたいというのが私の思いです。
テレビでも、BS放送でやっているゴールデンタイムの報道関係の番組では、まだなんとかそういう番組があります。しかし、地上波では、ほとんどそんな番組はなくなってしまいました。
昔の「朝まで生テレビ」では、保守の論客とリベラルの論客が侃々諤々と議論をしていたことがなつかしく思い出されます。たとえば、西部邁氏と大島渚氏のような。
あるいは、かつて「朝日ニュースター」という放送局がありました。その中には「西部邁・佐高信の学問のすゝめ」という番組がありました。おそらくいろいろな点では意見が異なる二人が、学問や知という点に関しては、議論が成り立っていました。短い期間の番組でしたが、いまでもなつかしく思い出される番組です。
また、同局の「ニュースの深層」という番組では、先月に亡くなられた小田嶋隆さんが週1回キャスターを務められていました。番組の最後に得意とされているイラストを示されていたことが昨日のことのように思い出されます。
しかし、今ではテレビ番組はワイドショーやバラエティー番組とテレビドラマが大半です。良い番組もあるとは思いますが、私のようなおじさんあるいはジジイには面白くありません。私にはラジオ番組の方が面白いのです。
特に、今では「rajiko」のおかげで、地域を越えたり時間を超えたりして、いつでもどこでも好きな番組が聴けます。
そんなわけで、私は、Radio will kill the TV show star. と言いたくなるのです。