// // 大学の学部・学科の進路選択についての親爺の考えです

大学の学部・学科の進路選択についての親爺の考えです

イエール大学

pixabay.com

受験シーズンも最終段階に入りました。

受験生にとっても、親御さんにとっても、心身ともに負担の多い時期ですね。

しかし、この冬を越えれば、春がやってきます。桜の季節はもうすぐです。ぜひ、この時期を乗り越えていただければと念願いたします。

ここでは、受験の中でも大学に関することをテーマにします。

大学への進学は、一生を左右するような重大な進路決定です。

まずは、理系学部に行くか文系学部に行くかで、卒業後の就職先が大きく変わります。

理系、文系それぞれでも、どの学部や学科・専攻でも変わります。

どの大学の学部・学科へ出願するかとか、複数の大学や学部・学科に合格した場合には、どこに入学するかも問題になります。

ここでは、進路決定の判断基準についての私見を書きたいと思います。

学びたいこと研究したいことがかなり具体的に決まっている場合

今の時点で、本当に学びたいと心から思っているものがある人は、その学部・学科に出願されるでしょう。

たとえば、臨床医になることをめざしている人ならば、医学部医学科への出願以外はありません。裁判官や検察官、弁護士をめざしている人も、ほぼ法学部法律学科に出願されるでしょう。ただし、医師になるための医学部とは異なり、法曹は法学部卒が必須ではありませんが。

また、同じ名前の学部学科でも、大学によって学べる内容が異なります。自分が学びたいことが学べる研究室やゼミがあるかないか、それを専門に研究している先生がいるかいないかで、大きく異なります。

○○学と言っても、研究対象は無数にあります。ある程度、何を学びたいか、何を研究したいかが決まっている人は、どのような専門の先生がいるかをよく確認した方がよいでしょう。

ただ、大学の先生も同じ大学にずっと居続けるとは限りません。入学した時点で在籍されていても、専門課程に進む時に、他の大学に移ってしまわれる可能性は残ります。あるいは、専門課程に進んだら、2年間の外国留学に出発されてしまったということもありえます。

特に文科系では、先生が変わると、同じ○○学の先生でも専門分野が変わってしまうことがあります。

理工系では、研究室の研究設備がありますから、先生の移動でそう大きく研究分野が変わることはないとは思います。それでも、どの先生のもとで研究するかの影響は大きいでしょう。

その大学で何を学べるか、何を研究できるかは、たいへん重要な問題です。大学の偏差値やブランド力だけで安易に選ばないようにした方がよいと思います。

学びたいことがはっきりと決まっている人は、本当にそれが学べる大学を選んで下さい。

ただし、先生の移籍や留学の可能性を考慮すれば、学びたい先生が一人だけいらっしゃる大学ではなく、少なくとも二人が在籍されている大学を選ばれるのよいでしょう。

大学で学びたい分野がだいたい決まっている場合

大学受験時に、具体的な研究対象を持っているという人は、少数派かもしれません。大まかな興味・関心で学部・学科を選ぶ人の方が多いでしょう。

多くの人は、高校時代に学んだ教科・科目から、この分野をもっと学んでみたいと考えて、志望学部を決めていると思います。

その場合は、同じ学部でも、より社会的評価の高い大学、偏差値の高い大学、就職に有利とされる大学などを第一志望にされるでしょう。

高い授業料(今や国公立でも安くはありません)を払うわけですから、よりコスト・パフォーマンスの高い大学を選ぶのは、道理に合うことです。

ただし、このコスパについての評価も、多様な視点から行うべきです。

大学が提供してくれる教育内容もさまざまです。私が若かったころの大学と較べて、今では、至れり尽くせりと思うような大学がたくさんあります。今の受験生の方々ならば、そのあたりの情報をしっかりと確認されていることでしょう。

専門学校に近いほどの実践的なことが学べたり、資格取得のサポートをしてくれる大学もありますし、基礎学力のトレーニングからはじめてくれる大学、多くの分野を幅広く学べる大学、勉学から就職まで学生に親身になって相談に乗ってくれる大学、外国語を学ぶ環境が整った施設のある大学、地元企業と密接な連携がある大学、留学を支援してくれる大学、他大学との単位互換を進めている大学、体育会に強豪チームがあったり、すぐれた指導者がいる大学等々。

自分の学びのための環境や卒業後の進路について、総合的に判断して大学を選ぶことが大切です。

特に学びたいものはない場合

特に学びたいものはないという人は、比較的に得意な科目から、自分にとって学びやすい学科を選ぶのがよいでしょう。

数学が苦手なのに経済学部に進んでしまうと、大学の授業について行けないということが起こります。

高校時代の得意な科目から、学部・学科を選ぶことで、大学の授業も楽しく学ぶことができるでしょう。

18歳で自分の進路を明確に決めることができないのは、恥ずべきことではありません。大学に入って4年間のうちに、自分が進みたい道を探っていけばよいのです。

さらに言えば、社会人になってからでも、本当にこれがしたいと思えることに出会うことだってあります。

大学では、さまざまな先生や先輩や同級生や後輩と出会えます。あるいは、大学時代のバイトや留学などで、より多くの人との出会いがあります。さまざまな人との出会いから、自分の生き方を考えていくことができます。

高校時代までの自分の価値観が180度変わることだってあります。大学での学びは、学問や部活だけではありません。むしろ、多様な人々との出会いにこそ価値があるという面もあります。今までの自分を変えていくために大学に通うのだという意気込みならば、何学部でもよいではないですか。

ただ、その場合でも、自分がやりたいことができるような大学を選ぶべきです。学問だけではなく、クラブ活動でのスポーツでも芸術でも、自分が取り組みたいことができる大学を探してください。(もちろん、教育学部の体育専攻や芸術専攻、あるいは体育系の学部、芸術系の学部という道もあります。)

私の友人にも、音楽活動がしたいために、合格した複数の大学の中から、あえて偏差値という面では若干低く、授業料という面ではより高い大学へ進学した人もあります。本当にしたいことのために悩んだ結果の決定だったと思います。しかし、これはその友人にとってはベストの選択だったと思います。

結論

3つの場合に分けて書いてきましたが、すべての人がどこかに当てはまるわけではないでしょう。それぞれの中間に位置する人もいるかと思います。

学びたいことが決まっている人でも、入学後に、これは本当に学びたいことではなかったと気づくようなこともあるかもしれません。

学びたいことが特になかった人でも、大学の授業を受ける中で、これこそ自分が学びたかったことだと、学ぶ心に火がつく人もあるでしょう。

あるいは、大学を卒業し就職して後に、本当に学びたかったことを発見する人もあるでしょう。

人生は、実際のところは、単純なレールの上だけで完結できないものと言うべきだと思います。

大学時代も、人生の通過点に過ぎません。ベストの選択だと思ったことが、その後に誤りだったと気づくこともあるでしょう。

しかし、それにもかかわらず、ある時点において自分がこれが一番だと考えた人生の選択に誤りはないと、私は思います。

大学やその学部・学科の選択は、出願直前や合格発表後に現実の問題となりますが、自分の心に素直に従えば、けっして後悔することはないと思います。

世の中の変化のスピードが年々早まっています。たった3年くらいで、産業の勢力図が変わってしまう時代です。大学を卒業する4年後のことは、今の時点で完璧な予測は不可能です。

それならば、自分が今の時点で本当にやりたいことを基準にして進路を決定されるのが、ベストの選択だと思います。

親爺の私見に過ぎませんが、一つの参考となればという思いで書かせていただきました。

受験生の皆さんには、インフルエンザ等に気をつけて、ぜひ自分の実力を発揮されることを心から願っています。そして、今の時点での後悔のない進路決定をされることも心から願っています。

スポンサーリンク